【講座レポート】発達障がいの方の成人期ライフスキル講座(エルムおおさか様主催)
2016/12/15
こんにちは、LinkBe大阪の黒木です。
12/9(金)にエルムおおさか様主催の支援者対象 成人期ライフスキル講座の参加
レポートです。
講師は、岡田俊先生(名古屋大学医学部附属病院 親と子どもの診療科准教授)で臨床
現場でのエピソードや最新の研究成果を交えてお話し下さいました。
示唆に富んだ内容で、日々の支援内容や姿勢を見直す貴重な機会とりました。
当ブログでは、主に印象に残った部分を3点ほどピックアップいたします。
①
発達障がいの方は傷づきやすい!?
レジリエンスという概念があります。日本語でいうと「立ち直る力」という意味が近
いと思います。
レジリエンスとは、もともと物理学の用語で、「外力を跳ね返す力」を意味していま
した。心理学でも援用されるようになり、現在の用法が定着しつつあります。
講座では、レジリエンスを構成する要素のうち、約半分が発達障がいの一般的な特性
によって阻害されるとお話しされました。
レジリエンスが低くなりやすいということは、傷から立ち直りにくいという意味で傷
つきやすい、のだそうです。
さらにADHDの方は、期待が叶わなかった時に定型発達の方より大きく落ちむという
趣旨の研究もご紹介いただきました。
傷つきやすさは、失敗経験が記憶に残りやすいということに繋がります。
当事業所の支援でも、フィードバックが単なる失敗経験にならないよう工夫する必要
があると感じます。
②
障がいを「受容」することの難しさについて
先生は、診断を告知することの難しさについてもお話しされていました。
曰く『発達障害の診断を受けることは「想定内」、しかし現実を受け止めるざるをえ
ないことは「想定外」』とのこと。
診断が出た際には「障がいによって、可能性が潰えてしまう、希望が叶わなくなって
しまう」、そのように考えられる方も中にはいらっしゃるはずです。
診断を受けて、現実を突きつけられたとき、その重みは如何ほどか。私の想像の範疇
を超えるものだと思います。
支援者同士では、「障がいの受容」と簡単に言うことがありますが、実際の「障がい
受容は簡単ではない」と肝に銘じる必要があると感じました。
③
「みかた」になること、が大事。
支援に必要な視点として、「みかた」になるというお話もありました。「みかた」に
は2つの意味があります。
まず「味方」になること。本人の味方として共感し安全地帯でいること。しかし、た
だの味方でいるだけでは、状況を改善できない場合が多いです。
そこで2つめの「見方」になること、が大事になります。
親や周囲の見方=視点を提供することで、ご本人が新たな認識をもつお手伝いをする
ということでした。実際の支援現場でもご本人が想像していない可能性をお伝えする
ことで、認識が変わられることが多々あります。
2つの意味で「みかた」になることで、真に必要な支援が出来る。
そのように感じました。